最新のデータによると、オーストラリアの第3四半期の基礎インフレ率は依然として高止まりしており、価格圧力の根強さを示しています。オーストラリア統計局が水曜日に発表したデータによれば、9月までの3カ月間において、変動項目を除いた消費者物価指数(CPI)は前期比で0.8%上昇し、市場予想に一致しました。前年同期比では、基礎CPIは3.5%増加し、政府が一部助成を提供している状況下での価格支えを示しています。オーストラリア準備銀行(RBA)はこれを懸念しており、基礎CPIデータが実際のインフレ圧力を反映していることを強調しています。
データによれば、政府の補助金によって総CPIの上昇を抑え、前年比で2.8%に鈍化させたにもかかわらず、基礎インフレは高水準を維持しています。オーストラリア準備銀行のミシェル・ブロック総裁は年次報告書で、インフレ率が今後1、2年の間に2-3%の目標範囲に戻ることは難しいと指摘しました。準備銀行は現行の金利4.35%の12年ぶりの高水準を少なくとも2025年初頭まで維持することを予想しています。金融引き締め政策は経済の需要圧力を緩和するのに役立ちますが、消費と投資に対して一定の抑制をもたらす可能性もあります。
オーストラリア準備銀行の慎重な姿勢には、世界貿易や地政学的緊張が輸入価格に与える影響、ならびにオーストラリア政府による所得税削減が消費支出を増やすことなど、多くの要因があります。オーストラリアの労働市場は強靭であり、失業率は低水準を維持しており、消費能力を支えて価格水準を押し上げています。これにより、準備銀行は金利を引き下げる際に、インフレの再上昇を避けるためになるべく慎重に行動する必要があります。
また、政府はインフレを抑制するためにエネルギー補助金を提供しており、これが総CPIへのエネルギーコストの圧力を一定程度和らげています。今後、インフレが徐々に低下するにつれて、オーストラリア準備銀行は2025年上半期にかけて緩やかな利下げサイクルに入ることが見込まれています。専門家は、オーストラリア準備銀行の政策動向と他の中央銀行の利回りの変化が豪ドルを支える可能性があると分析しており、特にインフレ圧力が世界経済の減速とともに緩和される場合にはなおさらです。