火曜日、BHPグループは、政策措置が中国の不動産市場に及ぼす影響はまだ時期尚早であると述べたが、2020年以来の最低年間利益を記録したにも関わらず、中国の一部の産業において安定した成長を実現している。新築着工を除き、中国のインフラ、グリーンインフラ、自動車、不動産の完成などの産業における鋼鉄需要は「非常に強い」という。
不動産市場の下降、消費者支出の弱さ、及び信用の大幅な縮小による影響で、中国の経済成長の勢いが失われつつあり、これが中国政府によるさらなる政策的な刺激策を打ち出す理由となっている。しかし、BHPの最高経営責任者(CEO)のMike Henryは、新築着工の支援に関する中国政府の政策措置がどのように実際の影響に変わるかを密接に注視していると述べた。
BHPは中国の経済成長見通しを5.75%-6.25%から5%-5.5%に引き下げたが、中国の鋼鉄生産量が5年連続で10億トンを超えると予測しており、これは世界市場における相対的な明るい点である。BHPによると、先進国の短期的な経済展望は不確実であるものの、中国とインドは今後も安定した大宗商品需要の支えであると予想される。
BHPは、インフレ圧力が2024会計年度の業績と利益に引き続き影響を及ぼすと警告している。コストの急騰とオーストラリアの労働市場の引き締まりなどの影響で、6月30日で終了した会計年度における同社の基本利益は前年比37%減の134.2億ドルに下がり、Refinitivの予測の138.9億ドルを下回った。
過去1年間で、新型コロナウイルス感染症の影響から世界の供給網が正常化するにつれ、BHPの主要収入源である鉄鉱石の価格は165ドル以上のピークから100ドルにまで回落した。しかしBHPは、インフレが銅や鉄鉱石などの大宗商品価格の下限を引き上げると予測している。
Argo InvestmentsのポートフォリオマネージャーAndy Forsterは、同社の利益と配当がやや失望をもたらしたと述べた。大宗商品価格が前よりも低下しているにもかかわらず、大宗商品市場は依然として非常に健全で、特に鉄鉱石の価格は強固だ。しかしながら、インフレ環境と融資コストの上昇を考慮すると、大宗商品企業の資本支出は引き続き増加する可能性がある。
また、BHPの資本及び探査支出は前年比で16%増の71億ドルになり、次の2年間でこれらの支出が100億ドルに増加すると予測している。Henryはこの支出には、Oz Mineralsの事業買収やカナダのJansenポッタッシュプロジェクトなどが含まれていると述べている。