TD証券はレポートで、中央銀行の継続的な買いと米国の利下げの見通しが明確になることで、今後数週間で金価格が上昇すると予測しています。
TDは、金価格が2025年の第一四半期に1オンスあたり2475米ドルの平均目標価格に達する可能性があると考えています。現在のスポット金価格は1オンスあたり2372.06米ドルです。
今週、中国人民銀行が6月に連続して第二か月目の金買いを停止したとの報告を受け、金価格の上昇勢は一時的に停滞しています。これにより、先週の米国雇用統計が予想を下回った後の利下げに対する楽観的な見方から来る金価格の上昇が弱まりました。
しかし、TDは、今週インド準備銀行、ポーランド国立銀行、チェコ国立銀行が金を買い続けているデータが金価格を支えていると指摘しています。
TDは、中央銀行の金買い行動と米国の利下げ予測のさらなる明確化が、今後数ヶ月間の金価格を支える可能性があると考えています。
「政府部門が金を利用して外貨準備を分散させようとしているように見えるため、利下げの時期が予測しやすくなると、投資家の購入が増え、金価格は新たな高値を記録する可能性が高いです」とTDのアナリストはレポートで述べています。
今年5月、スポット金は1オンスあたり2450.06米ドルの歴史的高値を記録しましたが、これはイランとイスラエルの潜在的な対立に対する安全資産需要の増加により促されたものです。しかしながら、金価格はその水準に長く留まることはなく、その後急速に1オンスあたり2280米ドルまで下落し、6月下旬には若干の回復を見せました。