累積/分配指標とは?
累積/分配指標(Accumulation/Distribution Indicator、A/D指標とも呼ばれる)は、購入と売却の圧力の変化や資金の流れを測定することを目的とした技術分析指標です。取引量と価格の関係を計算により分析し、市場の購入と売却の力及び価格トレンドの持続可能性を判断します。
A/D指標の計算は以下の原則に基づいています:
- その日の取引量と価格の関係:その日の終値が高値に近い場合は、取引量が主に購入に集中しており、購入圧力が大きいことを意味します;逆に、終値が安値に近い場合は、売却に集中し、売却圧力が大きいことを意味します。
- その日の取引量と前日の関係:終値が前日の終値を上回るが、取引量は少ない場合、市場の購入力が弱まっている可能性があります;逆に、終値が前日の終値を下回るが、取引量が多い場合、市場の売却力が強まっている可能性があります。
これらの原則に基づき、A/D指標の計算プロセスには以下のステップが含まれます:
- まず、各取引日の購入圧力と売却圧力を計算します。
- 購入圧力 = その日の終値 - 安値
- 売却圧力 = 高値 - その日の終値
- 各取引日の取引量と購入・売却圧力に基づいて、累積/分配値を計算します。
- その日の終値が前日の終値を上回る場合、累積/分配値は前日の累積/分配値にその日の購入圧力を加える。
- その日の終値が前日の終値を下回る場合、累積/分配値は前日の累積/分配値からその日の売却圧力を引く。
- その日の終値が前日の終値と同じ場合、累積/分配値は変わりません。
A/D指標の変動トレンドは、資金流の方向と購入・売却の力の強さを判断するために使用できます。A/D指標が上昇トレンドである場合は、購入力が強くなっており、価格上昇の兆しとなる可能性があります;逆に、A/D指標が下降トレンドである場合は、売却力が強くなっており、価格下落の兆しとなる可能性があります。
累積/分配指標に関するよくある質問
累積/分配指標はどのように計算されますか?
累積/分配指標の計算は、各取引日の購入圧力と売却圧力に基づいています。購入圧力はその日の終値から安値を引いたもの、売却圧力は高値からその日の終値を引いたものです。取引量と購入・売却圧力に基づき累積/分配値を計算します。
累積/分配指標の役割は何ですか?
累積/分配指標は、購入と売却の力の変化と資金の流れを測定するために使用されます。市場の購入・売却力と価格トレンドの持続可能性を判断し、市場参加者の感情と資金の流れに関する手がかりを提供します。
累積/分配指標の変化トレンドをどのように解釈しますか?
累積/分配指標が上昇トレンドの場合、購入力が強まっており、価格上昇を示唆する可能性があります。逆に、下降トレンドの場合、売却力が強まっており、価格下落を示唆する可能性があります。トレンドの持続性と力の強さは、指標の傾きと変動性を観察することで判断できます。
累積/分配指標の限界は何ですか?
累積/分配指標は計算時に取引量のデータに依存しているため、市場の流動性が低いまたは取引量のデータに欠陥がある場合、指標の正確性に影響を及ぼす可能性があります。また、この指標は単独で使用するよりも、他の技術指標やチャートパターンと組み合わせて総合的に分析するべきです。
累積/分配指標はどの市場で使用できますか?
累積/分配指標は、株式市場、先物市場、為替市場など、様々な金融市場に適用できます。取引量のデータを有するあらゆる取引商品の分析に利用でき、投資家が市場参加者の感情と資金の流れを理解するのに役立ちます。