オーストラリア証券投資委員会(ASIC)は、Everest Asset Management Pty Ltd(Everest)のオーストラリア金融サービス(AFS)ライセンスを取り消すことを発表しました。この決定は、Everestが規定された通りに財務報告書と監査意見を準備・提出しなかったためであり、さらにASICは今後もEverestがAFSライセンス保有者としての義務を履行し続けない可能性があると見なしています。
会社法に基づき、ASICは保有者がs912A条項下の基本義務を果たさない場合、そのAFSライセンスを一時停止または取り消す権利を有します。これらの基本義務には、毎年ASICに財務報告書を提出するなど、金融サービス法の要件を遵守することが含まれます。
EverestはAFSライセンス番号437924を保有しており、卸売顧客に対して投資計画の管理に関する助言と処理を行う権限を持っています。EverestはASICの決定に対して行政上訴裁判所に審査を申し立てる権利を有しています。
今回のライセンス取り消し決定の背景には、ASICが連邦裁判所に命令を求め、Prospero Markets Pty Ltd(Prospero)の清算を要求し、清算人を任命することに成功したことがあります。ASICによるProsperoとEverestの調査は、オーストラリア連邦警察のAvarus-Nightwolf作戦から始まりました。この作戦により、長江通貨交換資金送金チェーンに関連するマネーロンダリングの嫌疑で、2023年10月にProsperoの元幹部と責任者、ならびにEverestの現役幹部が起訴されました。