市場回顧
注目ニュース
中国市場
1、中国中央銀行、年内2度目の全面的な預金準備率の引き下げを実施
中国人民銀行は、2023年9月15日に金融機関の預金準備率を0.25ポイント下げる(5%の預金準備率を既に実施している金融機関を除く)ことを決定。今回の引き下げ後、金融機関の加重平均預金準備率は約7.4%になる。6ヶ月ぶりに中央銀行が年内2度目の全面的な預金準備率の引き下げを行い、5000億元以上の中長期流動性が解放される見込みである。
2、中央銀行メディアが人民元レートの外部圧力緩和の可能性を示唆
中国人民銀行の管轄するメディア「金融時報」は、人民元対ドルの為替レートの下落圧力は主に短期的かつ段階的なものであると指摘。近期のドル指数の強さと中米間の利差の持続的逆転により、人民元レートは短期的に下落したが、ドルを支える外部要因は弱まりつつあり、将来的に日本円が鷹派的に転換することがドル指数に対して抑制効果をもたらす可能性があるとしている。
3、中東資本が中国資産への投資を強化
近年、中東資本は二次市場での購入やプライベート・エクイティ投資などを通じて、中国資産への投資を強化している。上場企業の半期報告書のデータによると、今年6月末時点で、アブダビ投資局とクウェート政府投資局がそれぞれ26社、36社のA株上場企業の上位10大流通株主名簿に名を連ねており、その数は昨年末に比べて顕著に増加している。また、アラブ首長国連邦の第三の大きな主権富裕基金であるムバダラ投資会社は、北京に正式にオフィスを設立している。
海外市場
1、アメリカ8月のPPI、1年以上で最大の月次増加
ガソリンなどのエネルギーコストの上昇を受けて、アメリカのPPIは予想以上に反発し、インフレが頑固であることを示している。アメリカ労働省のデータによると、アメリカ8月のPPIは前年同月比で1.6%増加し、予想の1.3%を上回り、2ヶ月連続で予想を超える上昇となった。8月のPPIは月次で0.7%上昇し、2022年6月の0.9%上昇以来の最大の増加率を記録した。報告によると、8月のPPIの大部分の上昇(80%)は、最終需要商品の価格上昇によるもので、最終需要商品指数は2022年6月以来の最大の上昇幅である2.0%上昇した。
2、アメリカ8月の小売売上高、予想を大幅に上回る
アメリカ国勢調査局が発表した8月の小売売上データによると、ガソリン価格の強力な支援を受けて、8月のアメリカの小売売上高は前月比で0.6%増加し、前回の修正値0.5%および市場予想の0.1%を上回り、5ヶ月連続の増加となった。その中で、ガソリンスタンドの売上は前月比5.2%増加し、1年以上で最大の増加率を記録し、小売売上の主要なドライバーとなった(下記画像)。
3、欧州中央銀行、経済予測と核心インフレ予測を下方修正
欧州中央銀行の利率決定会議の結果、主要再融資利率、預金ファシリティ利率、マージナル貸出利率をそれぞれ25ベーシスポイント引き上げた。この加息後、預金ファシリティ利率は22年ぶりの最高水準の4%に、主要再融資利率は4.50%に、マージナル貸出率は4.75%に達した。負の利率時代を昨年7月に終えて以来、欧州中央銀行は連続10回の加息を実施し、累計で450ベーシスポイントの加息という史上最速の引き締めを行っている。
4、オーストラリアの液化天然ガス労働者のストライキが激化
メディア報道によると、雪佛龍社が西オーストラリア州に保有する重要な液化天然ガス(LNG)施設の労働者が、ストライキ行動を強化している。労組の幹部が9月8日に部分ストライキを開始した後、エスカレーション計画を発動したことを確認した。行動計画によるエスカレーションでは、労働者たちは船舶やその他の船の係留や積み込み、実験室分析作業、機器の再起動などの活動を制限する可能性がある。オーストラリアは世界最大の液化天然ガス輸出国であり、GorgonおよびWheatstoneの2大プロジェクトは、西オーストラリア州の天然ガス消費量の半分を供給するだけでなく、世界の液化天然ガス供給量の約7%を占めている。
本日の注目
今日、投資家はユーロ圏7月貿易収支、アメリカの輸入物価指数、工業生産、ミシガン大学消費者信頼感指数などの経済データに注目する必要がある。その他にも、中国国家新聞出版庁の国民経済運営状況記者会見、欧州中央銀行総裁ラガルドの発言など、リスクイベントにも注意が必要である。