市場レビュー
焦点ニュース
中国市場
1、不動産投資の落ち込みが深刻化
1-10月の全国不動産開発投資額は前年比9.3%減の95922億元と落ち込みが拡大し、住宅投資も72799億元で8.8%下落、同じく拡大しています(下図)。1-10月の商品住宅販売面積は92579万平方メートルで、前年比7.8%減、販売額は97161億元で4.9%減となりました。
2、国家外貨管理局はプライベートエクイティファンドの海外投資試験プログラムを慎重に進展させると発言
国家外貨管理局は、外貨領域の制度的なオープンを段階的に拡大し、資本項目の開放の質を向上させる方針を示しました。海外上場や海外機関投資家による国内証券市場への投資への規制改正を進め、プライベートエクイティファンドの海外投資試験プログラムを慎重に推進し、より多くの外資金融機関と長期資本の国内への参入を促進します。
3、上海証券取引所の理事長、邱勇がA株市場は評価面での低地にあると表明
「新たな発展パターンを構築し、高品質な発展を推進する」というテーマで2023年の上海証券取引所国際投資家会議が開催されました。上交所の理事長である邱勇は、資本市場の投資価値が日増しに明らかになり、2023年10月末現在で、上証指数のPERは12.6倍で、海外市場と比較して、A株市場は評価の低地にあり、グローバルな魅力があります。
海外市場
1、米国10月のPPIが予想を超えて鈍化
米国CPIの予想外の鈍化に続き、10月のPPI成長率も予想を上回って鈍化し、市場は米連邦準備制度の利上げ周期が終了したことをさらに確認しました。労働省のデータによると、ガソリン価格の下落の影響で、10月のPPIは前年比で大幅に鈍化し1.3%となり、予想の1.9%を大きく下回りました。これは、2020年4月以来の最大の下落で、前月比で0.1%の上昇が予想された中、0.5%下降しました。
2、米国10月の小売売上高が予想を上回る
10月の小売支出の減少は経済の減速の早期の兆しである可能性があり、借入コストの上昇による圧迫を受けた米国消費者ですが、前月の小売のパフォーマンスは経済学者の一般的な予想を上回りました。商務省のデータによると、10月の小売売上高は前月比0.1%減少し、今年3月以来初の減少となり、前の値の0.9%から大幅に鈍化しましたが、減少幅は経済学者の予想の0.3%より小さいです(下図)。
3、英国10月のCPIが2年ぶりの新低
エネルギー価格の鈍化により、英国10月のインフレ率が予想を上回って鈍化し、首相のスナックが「インフレ半減」の目標を達成しました。国家統計局が発表したデータによると、英国10月のインフレ率は大幅に下降し4.6%となり、2021年11月以来の新低を更新しました。エネルギー価格の大幅な鈍化の他に、食品や非アルコール飲料のインフレ率も2022年6月以来の最低水準に低下しました。食品やエネルギーなどの価格変動が大きい項目を除いた核心CPIも、前月の6.1%から10月には5.7%に低下し、住宅および家庭サービスのCPIが最も大きく下落し、1950年1月の記録以来最低水準になりました。
4、ソロスの旧友DruckenmillerがリーダーシップをとってNVIDIA株を売却
億万長者で伝説的な投資家、ソロスのかつての戦友であるStanley Druckenmillerが運営するDuquesne Family Officeは、9月30日までの四半期にNVIDIAの保有株を削減しました。具体的には、第3四半期に約7.5万株のNVIDIA株を売却し、約3720万ドルの価値がありました。9月30日時点で、NVIDIAは依然としてDruckenmiller家のポートフォリオで最大の保有株であり、保有市值は3億8050万ドルでした。また、ソロスファンドマネジメントは第3四半期にNVIDIAへの投資を撤退し、490万ドル相当の株式を売却しました。
今日の注目
本日、投資家は日本の貿易収支、オーストラリアの雇用市場レポート、米国の初回失業保険申請数、工業生産などの経済データに注目が必要です。その他、パレスチナとイスラエルの状況、中国の70都市の住宅販売価格の月報、欧州中央銀行のラガルデ総裁、米連邦準備制度委員会のウィリアムズとバールの発言など、リスクイベントにも注目が必要です。